2007年7月26日木曜日

追うライバル突き放す

 J1昇格に懸ける札幌イレブンの思いが凝縮した試合だった。仙台の猛攻をしのいだ最大の要因は、選手一人一人の気迫だ。主将の芳賀は「逆の結果になってもおかしくなかったが、気持ちでは決して負けていなかった。これから勢いに乗っていける大きな勝利」と胸を張った。  札幌はFW2人が決定力を発揮してリードを広げたが、終盤にかけては防戦一方。三浦監督は「もう少し危なげなくやってほしい」と、スコア以上の薄氷の勝利に冷や汗を流した。しかし、イレブンは決して相手に圧倒されることなく、ここまで培った守備の規律を維持し続けた。芳賀は「攻め込まれながらもシュートコースを消したり、ブロックしたり、集中力が途切れることはなかった」と、ギリギリの攻防を振り返った。  札幌に勝ち星のない仙台は、しっかり研究して攻めの形をつくったが、ゴールを割ることはできなかった。札幌は昇格レースを競う仙台に2勝1分けとし、シーズン勝ち越しを決めた。昇格争いの強力なライバルに勝ち点差10をつけ、攻められても攻められても崩れぬ札幌の堅守を強烈に印象付けた。  平日にもかかわらず、敵地のスタジアムには1万4517人が詰め掛けた。仙台への大声援の一方、札幌のプレーには大ブーイング。札幌イレブンはそんな不利をものともしなかった。決定力不足が問題視されていたFWは大事な一戦で意地を見せ、前節の東京V戦でリードを守り切れなかった反省も生かした。札幌が夏場を乗り切るために、弾みとなる勝利だった。

(北海道新聞より引用)

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