2008年3月10日月曜日

「木の城」破産 「全員解雇」に衝撃 再就職道険し 地元栗山

住宅メーカー道内大手「木の城たいせつ」(空知管内栗山町、山口昭社長)が七日、自己破産に伴い従業員五百六十六人を全員解雇する方針を表明したことに対し、栗山町では、自宅待機中の従業員らに動揺が広がった。地元では「地域経済への影響も大きい」と懸念が出ている。
 「解雇はテレビニュースで知った。会社からは何の連絡もない」。関連会社たいせつ構証の五十代の従業員は声を荒らげた。木の城で建てた住宅のローンもあるが、「失業したら家を手放すしかない」。四十代の社員も「再就職先や健康保険はどうなるのか」と戸惑いの表情を見せた。
 建設中の約八十棟を引き渡すまで、一部社員は雇用されるが、それが終われば、全員が解雇される。申し立て代理人の諏訪裕滋弁護士は「工場の継承に前向きな企業もある」と話すが、「再就職先のあっせんはこの状況では不可能」(山口社長)という。耐震偽装問題に端を発する住宅着工基準の厳格化で、道内の住宅業界は冷え込んでおり、札幌の中堅住宅メーカーは「今、社員を減らしたい所はあっても、採りたい所はない」と話す。
 栗山町によると、町内に住む木の城たいせつなど三社の従業員は九十八人。家族を含めると二百人近い。再就職については「地元の企業は春入社の高校生を採用したばかり」(栗山商工会議所)と情勢は厳しく、人口流出を心配する声もある。
 同社の自己破産で、町は年間の固定資産税収入の5%、三千万円の減収となる。椿原紀昭町長は「栗山の名を木の城とセットで全国に発信してもらってきただけに残念。規模縮小してでも再操業できないか」と訴えた。

(北海道新聞より引用)

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